「ウェルシュ菌」がカレーで増殖?殺菌方法は・・症状、予防、食中毒!芽胞って?
「ウェルシュ菌」がカレーで増殖?
殺菌方法はどうすれば?
症状、予防、食中毒がヤバイ・・・
芽胞ってなに?
食中毒を起こす「ウェルシュ菌」を知っているでしょうか?
ウェルシュ菌は、熱に強いものがあり、特に作りおきしたカレーや煮物など
を食べて発症することが多いです。
最近も、食中毒があり、注意が必要と思われます。
「ウェルシュ菌」は、
人や動物の腸管、土壌、水中など自然界に広く分布して、
グラム陽性非運動性偏性嫌気性であり、
生体内又は、血清添加培地で増殖した場合、莢膜を形成します。
一般に、芽胞は形成されにくいとされています。
至適増殖温度は43~47℃で、分裂時間は45℃で約10分間とのことで、
37℃で最も多くの毒素を産生すると言われています。
健康な人の便からも検出されて、その保菌率は食生活や生活環境によって異なります。
また年齢による差もあり、16歳~50歳ほどの年齢よりも、
高齢者の方が高い傾向があるとのことです。
牛、豚、ニワトリなどの家畜の糞便や、魚からも菌は検出されているとのことです。
食品では、牛、豚、鶏肉などの食肉が汚染されていることが高いとのことです。
ウェルシュ菌は、熱に強い芽胞をつくるために、
高温でも、死滅せず、生き残ることがあり、
食品を、大鍋などで大量に加熱調理すると、他の細菌が死滅しても、
ウェルシュ菌の耐熱性の芽胞は生き残ることがあります。
更に、食品の中心部は酸素の無い状態になったりするので、
グラム陽性非運動性偏性嫌気性のウェルシュ菌にとって好ましい状態になるために、
食品の温度が発育に適した温度まで下がると、発芽して急速に増殖をはじめるそうです。
食品の中で、増殖したウェルシュ菌が、食べ物とともに胃を通過して、
小腸内で増殖して、ウェルシュ菌が芽胞型になる際にエンテロトキシン(毒素)が産生されて、
エンテロトキシンの作用で下痢などの症状が起きるとのことです。
一度に、大量の食事を調理した給食施設などで発生することから
給食病の異名もあるほどです。
患者数の多い食中毒を起こす危険が非常に高いです。
2017年3月8日 夕方から翌朝にかけて、
東京・世田谷の私立幼稚園の園児67人と教職員9人の計76人が次々と、
下痢や腹痛、おうとの症状を訴えて、
複数の患者の便から、ウェルシュ菌が検出されて、
保健所は、2017年3月8日 昼の「年長組を送る会」で
食べたカレーが原因と断定しています。
報道では、カレーは、2017年3月7日午前11時ごろから、
教職員と園児が職員室で、二つの大きな鍋を使って作り、
そのままの状態で、一晩常温で保存して、食べる直前に再加熱したということです。
肉類、魚介類、野菜を使用した煮込み料理で発生が多く、
発生施設は、他の食中毒と同様に飲食店、仕出し屋、旅館、学校などの
集団給食施設による事例で、
カレー、シチュー、スープ、麺つゆなどのように、
食べる日の前日に大量に加熱調理されて、
大きな器のまま室温又は常温で放冷されていたこと多いとのことです。
一般的には、加熱済食品は安心という考えが、
ウェルシュ菌による食中毒の発生原因となっています。
ただし、家庭での発生は、他に比べて少ないとのことです。
ウェルシュ菌の食中毒の症状は、
感染すると、6~18時間の潜伏期間を経て発症します。
軽い腹痛と、水のような下痢をくり返すのが主な症状とのことです。
1日ほどでおさまることが多く、おうとや発熱はほとんどないこともあり、
食中毒の症状としては、軽い方であることも多いとのことです。
ウェルシュ菌の食中毒を防ぐには、
他の菌と違って、加熱による予防はできません。
増殖を防ぐためには、調理済みの食品を何日も常温で放置しないことで、
特に、肉類の調理食品には注意が必要です。
具体的には、以下のようになります。
①肉類の調理に注意して、調理後に冷却する場合は直ちに行う。
②前日の作り置きはできるだけ止めて、加熱調理したものは早めに食べること。
③室温又は常温で放置しないこと。
④カレーやスープなどは、調理時によくかきまぜること。
⑤カレーやスープなどを保存するときは、底の浅い容器に入れて小分けして保存すること。
⑥保存は、必ず冷蔵庫を使用して、食べる前に再度加熱すること。
⑦瓶、タッパーなどの密閉の容器は、空気に触れないので、十分に注意して使用すること。
など
ウェルシュ菌の感染を予防するためには以上のことに注意が必要です。
ウェルシュ菌の中の芽胞(がほう)という殻のような状態になるものは、
熱に強い芽胞のために、100℃で60分ほど加熱しても死滅しないと言われています。
そのために、調理の際に煮沸しても、ウェルシュ菌は死滅せずに、
その後に増殖して、食中毒を起こす可能性があります。
状態としては、室温又は常温で保存して、
温度が55℃ぐらいまで下がってくると、
芽胞から、新しい芽が出て、ウェルシュ菌が増殖しはじめます。
43℃~45℃で、急速に増殖して、
料理にとろみがついていたり、量が多かったりすると、
温度が、ゆっくり下がるために、
ウェルシュ菌が増殖する時間も長くなるとのことです。
大きな鍋で、大量にカレーなどを作るときは、
室温又は常温で、一晩寝かせないように注意が必要だと思います。
参考にしてみてはいかがでしょうか。
最後まで読んで頂きありがとうございました。